プラスチック材料には、材料特性の改良や成形加工特性の改良のために種々の添加剤(配合剤)が一般に配合されています。
主な添加剤としては、可塑剤、安定剤、滑剤、酸化防止剤などがあります。可塑剤と安定剤は、軟質塩化ビニル(PVC) に一般的に添加されているものです。
PVCは、現在、環境問題から包装材料への適用量が少なくなっています。トレイのオーバーラップ包装の用途で現在も使用されていますが、内容品と直接接する用途でないため、可塑剤や安定剤の移行による問題は少ないです。
滑剤は、プラスチック材料の加工のとき、材料間の摩擦や材料と成形機の金属面との摩擦抵抗を低下させるために添加されています。また、フィルムなどの表面特性の改善やブロッキング防止の働きもあります。
滑剤としては、流動パラフィンやポリエチレンワックスのような炭化水素、ステアリン酸カルシウムのような金属石けん、アミド類、脂肪酸エステル、多価アルコールエステルなどが使用される。
このような滑剤もフレーバー特性を悪くするものがあるため、包装材料として使用するプラスチック材料の選定には滑剤の種類を十分に考慮する必要があります。シリカ系のような無機の滑剤もあります。シリカは無味無臭の安定した物質であるため、包材用途には適している。プラスチックは空気中の酸素やオゾンによって酸化され、強度の低下、ひび割れ、着色などが生じます。
また、成形加工時の熱、紫外線、水などによって酸化は促進される。酸化防止剤はこのような劣化・変質を防止する目的で添加されている。
PPやPEは酸化を受けやすいプラスチックであり、必ず酸化防止剤が添加されている。酸化防止剤としては、アルキルフェノール、アルキルビスフェノール、アルキレンビスフェノール、β,β‘-チオプロピオン酸エステル、有機亜リン酸エステル、フェノール・ニッケル複合体などがある。
しかし、このような酸化防止剤は、食品包材用のプラスチック材料には、安全性の面で問題があると考えられる。
このため、食品包材用途には、安全性、安定性に優れるブチルヒドロキシアニソール(BHA)やブチルヒドロキシトルエン(BHT)が適用されてきた。
しかし最近では、さらに安全性の高いトコフェロール(ビタミンE) やアスコルビン酸(ビタミンC) が一般に使用されるようになっている。