包装材の環境対策

こんにちは! 管理人のリトといいます。

みなさんは環境に適合した包装材や緩衝材を見たことや聞いたことがあるでしょうか。

環境に適合した包装材料の設計の基本的な考え方として、再資源化が容易であること廃棄物の処理が容易であることなどがまず挙げられています。

↑再資源化しやすい紙製包装の例

このような環境対策の具体的な方法としては、包装材料の減量化や減容化リサイクルしやすい素材の使用分離容易な包材の設計脱塩素系樹脂材料の使用生分解性樹脂の使用などがあります。

また環境に適合した包装材料の設計において、原料の採掘から製品の生産・輸送・消費(使用)・廃棄・リサイクルといった包材のライフサイクルにわたって、製品が環境に与える負荷を定量的に分析するLCAの手法を適用することが重要となるんだそうです。

では、もっと詳しく見ていきますね。

●目次
・環境負荷についての基本
・包装減量化のための工夫
・ボトルからパウチへ
・世界の包装リサイクル事情
・リサイクルについての基本
・ライフサイクルアセスメント
・飲料缶におけるLCA

環境負荷についての基本

環境負荷として種々の項目がありますが最も基本となるのはエネルギー消費量、そのほかに資源の消費量、NOx,SOx、フロンなどの大気汚染物質の排出量、BOD(生物化学的酸素要求量)を左右する有機物、重金属類、不溶性無機化合物などの水質汚染物質の排出量、固形廃棄物量などです。

新しい包装材料を設計する場合、このLCAの手法を基本に考えることが現在不可欠と言われています。

↑リサイクルできる容器&できない容器

容器包装リサイクル法を一部改正する法律が2006年(平成18年)6月9日に成立し、2007年(平成19年)4月1日から施行されましたが、改正の内容は、次の3点となります。

① 容器包装廃棄物に係わる効果的な3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進

②リサイクルに要する社会全体のコストの低減化

③国・自治体・事業者・国民等すべての関係者の連携

容器包装を製造する事業者にとって、容器包装リサイクル法への対応は「再商品化義務の履行」と「容器包装リサイクル法の目的に合わせた対応」が重要です。と言うこと、3Rに適した容器包装材料の設計と開発が必須ということになります。

包装減量化のための工夫

容器包装の減量化(リデュース)の手法としては、容器を薄肉化することにより使用材料を少量化することがまず考えられます。

例としてはプラスチックボトルの薄肉化が挙げられます。

↑飲料用PETボトル

飲料用PETボトルの軽量化もボトルメーカー各社の努力により進んでおり、一方で薄肉化に伴う強度低下を補うため、リブ形状、位置などの検討が行われかなり薄肉化された大型ボトルも登場ようになってきました。

ボトルからパウチへ

種々の包装形態中で、パウチが最も効率のよい形態と言えます。液状の内容品の容器としては、プラスチックボトルが主流ですが、最近では、「ボトルからパウチへ」や「詰替用パウチの適用」という事例が急増しております。

↑パウチ包装

容器減量化のその他の手法としては、部材の省略が挙げられます。輸送包装の梱包材の部品点数を削減する事例などが見られます。

容器包装を再使用(リユース)することは、日本では清酒のー升びんやビールびんなどで以前より行われてきたが、最近では、ワンウェイの包装容器が普及し、リターナブルのものが減少しました。

世界の包装リサイクル事情

ドイツやスウェーデンなどヨーロッパでは、現在もガラスの規格びんがリターナブル容器として使用されているようです。

また、PETやPENのリターナブルボトルも使用されているそうです。

↑とあるキッチンの調味料棚

しかし、日本ではプラスチックボトルのリユースはあまり行われていないようです。

ガラス容器に関しては、牛乳、醤油、ソース、みりん、ジュース、ケチャップなど、多くの製品の容器にリターナブルのガラスボトルや広口びんが使用されているところもあります。

リサイクルについての基本

広い意味のリサイクルは、物理的リサイクル、化学的リサイクル、および生物学的リサイクルに大別できます。

物理的リサイクルは破砕、分離、洗浄を基本としており、化学的リサイクルには、高分子を解重合によって原料のモノマーに戻し、再び重合して元の材料にする方法や、熱や触媒によって低分子に分解し重合の原料にしたり、燃料として利用する方法があります。

↑リサイクルのためのゴミ分別

単純な焼却によるエネルギ一回収などもリサイクルに含まれます。

生分解性ポリマーの使用によって、廃棄物を微生物によって分解することにより、最終的に水と炭酸ガスに戻す方法は、広い意味での生物学的なリサイクルと考えられるでしょう。

リサイクルを行う場合、リサイクルしやすい材料や形態を適用することが非常に重要であることに変わりはありません。

ライフサイクルアセスメント

LCA (ライフサイクルアセスメント)は、製品の原料採掘から廃棄処分に至るまでの全般におけるエネルギー消費量、環境へ排出される各種物質の環境負荷を定量的に求め、環境への影響を総合評価する手法です。

↑環境に優しい活動のイメージ

LCAの構成段階は、ISOQ 14040122) (ISO 14040)で規定されています。

第1段階は「目的及び調査範囲の設定」で、第2段階は「インベントリ分析」です。LCAは製品の環境に与える影響の程度を評価する手段であり、その評価結果に基づいて、製品の基本設計や製造システムの見直しを行う必要出てくる場合があります。

飲料缶におけるLCA

容器包装の分野でLCAを活用して大幅な改善が行われた例として、新規金属缶の開発が挙げられます。

飲料缶として多く使用されている金属缶にDI缶がありますが、DI缶は底がついたカップ状の缶胴と缶蓋の2つの部材から成る2ピース缶で、缶胴は絞りしごき加工によって成形されています。

このDI缶の製造工程の絞りしごき工程で、エマルション状のクーラント(潤滑・冷却剤)が大量に使用され、その後に水で洗浄されています。

↑使用後の飲料缶

また、成形後に缶内外面に塗装・印刷が施されます。

DI缶の製造工程で発生する環境負荷が評価された結果、使用後のクーラントと洗浄水の処理、塗料の焼付けに伴うエネルギー消費および環境負荷物質の排出の点において、環境負荷が非常に高いことが明らかとなったことは周知のことだと思います。

これらの問題点を解決する手段として、金属素材にあらかじめポリエステルフィルムをラミネートしたラミネート鋼板を使用し、クーラントを使用しないドライ成形により製造される新しい金属缶(薄肉化深絞り缶) が開発されました。

現在、飲料容器として大量に使用されているPETボトルについてもライフサイクルインベントリ分析が行われています。

その結果によると、耐熱用ボトルの方が炭酸飲料用ボトルより製造工程の消費エネルギーが大きい結果となっているようです。